
9/12 〜9/14まで、今年もあの舞火龍が帰ってくる。毎年大坑で開催される平和的で香港愛に満ちたファイヤードラゴン、忘れられない迫力のダンスを目の前で見た記憶が蘇ります。
暗くなるのも待ちきれないぐらい、みんなが興奮している熱気が伝わってくる大坑エリア。やがて辺りが暗くなってくるとドラゴンの通り道を除いて大勢の人でごった返します。まず子供達がそれぞれの持ち場に登場します。提灯を持つ子や蓮の花の灯籠を持って踊る子たちが大喝采を受けながらドラゴンの登場を促します。子供達は皆、香港人らしい純粋さでこの場に立つことが嬉しくて心から楽しんでいる様子がなんとも愛らしい。そんな子供達を見守る大人たちの優しい視線や温かい言葉に早くも感動してこみ上げるものが(嬉し涙)✨




そんなメイン会場の後ろの方ではドラゴンの身体に刺すための太いお線香に次々と火が焚かれ、やがてスタンバイ完了。太鼓や金の音と共に人もドラゴンも興奮して夜空に吠えるような勢いです。
いよいよ全身に火を纏ったドラゴンが駆け出して来ます。熱い火の粉と光と太鼓のリズムが人の汗や走る音や煙と一緒に激しいリズムを奏で、勢いよく踊り出します。先頭でドラゴンをおびき寄せるように回るポメロを目がけてダイナミックにリズム良く駆けるドラゴン。揺れるドラゴンの頭の先から尻尾までとても人間が動かしているとは思えないほどの迫力で、観客たちもいつしかファイヤードラゴンの世界に引き込まれていきます。旧正月の獅子舞とは違う、独特の動きと迫力です。火の粉を浴びながら踊るドラゴンと人。たくさんの人が交代で全速力でお線香の火を赤々と燃え上がらせながら駆け抜けるのです。もちろん火の粉は私たちにも降り注ぎます。見ているこちらまでファイヤードラゴンと一緒に興奮に巻き込まれて身動きできないほど。

こちらはゆっくり歩いているように見えますがドラゴンはそれなりに舞っていますw


踊る人も見る人も撮る人も火の粉を浴びても物ともせずに惹き込まれます!


やがて化粧直しのように燃え尽きたお線香を新しいものに交換し、またもや生き返ったドラゴン参上。目から強い光を放ちながら蘇るドラゴンの迫力にただただ驚くばかり。この生きたエネルギーは一体どこから沸いてくるんだろうかと。もちろん舞いながら火傷をする人も続出、けれどみんな持ち場を離れることなくドラゴンと共に走ります。若い人からやや年配の方、体を鍛えている方もそうでない方もみんながそれぞれに死力を尽くして舞う火龍。なんて素晴らしいお祭りなんだろう。ふと見上げるとビルの上の方に満月が小さく光り、火の色の粉がハラハラと地面に舞い落ちて静かに土の色に返ってゆきます。


夜空に火の粉を舞散らしながら踊るドラゴンと香港人の香港愛に感動し、涙が幾筋も頬を伝わったあの夜の感動は忘れることができません。
現在、香港はとても困難な状況に陥っていますが今年もあのお祭りが無事に開催されることを心から願っています。愛する香港の未来に光がありますように。愛しい香港人にドラゴンの祝福がありますように。
※写真は2年前のものです